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kindle Direct Publishing(KDP)で10万部換算突破! シリーズ累計40万部達成


kindle Direct Publishing (KDP)で10万部突破

1,KDPのオペレートページ

先日思い立って、kindle Direct Publishing(KDP)のオペレートページ(「レポート」というタブ)を詳しく研究してみました。すると…

  • 発売開始からの総売上部数

  • 発売開始からのkindle Unlimited 総既読KENP

  • 発売開始からの総売上

この辺全部、参照する事ができるんですね。便利!
恥ずかしながら今まで毎日/毎月の注文数や売上アベレージなどしか注目しておらず、それもほぼ「ダッシュボード」で足りていたので、他のタブを研究する事があまりありませんでした。

で、kindle販売を始めてから5年半のアバンチュリエの部数を計算してみたら、kindle Unlimited分も総既読KENPから部数換算していいなら、kindleだけで10万部行っていた!

以下、kindleのオペレートページも合わせて詳細を。

2,発売開始からの総売上部数

レポート → 注文 → ライフタイム → フィルター

今までの合計をすべて見るには、「日付を選択」タブで「ライフタイム」を選べばいいんですね。ここを注目しておりませんでした(笑)。

純粋に本を何冊売ったかを見るには、まずは「レポート」「注文」を選んで、その上で「ライフタイム」を見ると、総売り上げ部数がわかります。

アバンチュリエの場合【単話版】も売っているのですが、今回は除外して、単行本11冊のみの数字を見ました。フェア!(笑)本は「フィルタ」のタブで選ぶことができます。結果、単行本の売上は3万部弱

3,発売開始からのkindle Unlimited 総既読KENP

レポート → 既読KENP → ライフタイム

問題は kindle Unlimited 分アバンチュリエは kindle Unlimited も開放してメインステージのひとつとしているため、ここで読まれた分を入れないことにはかなり不利です。そのため読まれた分を部数換算するのに正確な数字を知りたいのですが、これもすぐに解決しました。

上記の通り、まずは「レポート」から「既読KENP」を選び、また同じように「ライフタイム」を選びます。これで kindle Unlimited で読まれた総ページ数がわかります。ですがこれだけでは部数換算にはなりません。なので少し下にスクロールすると……

各単行本の既読KENP

ご覧の通り各単行本の既読KENP…すなわち読まれたページ数がわかります。1巻の場合既読KENPは 3,234,484 なので、これを1巻のページ数(266ページ)で割ると約12,000部、という数字が出ました。以下、同じように各巻の数字を出して合計すると、約7万部強、という数字になります。

先ほどの単行本の通常売上3万部弱と合わせると、kindleの成果だけで合計約10万部強、という数字になりました。

4,発売開始からの総売上

以下、余談ですが、ここで総売上も見ることができます。同じく「レポート」から「ロイヤリティの見積もり」を選び、「ライフタイム」を選択。

レポート → ロイヤリティの見積り → ライフタイム

ここの総売上は秘密ですが(笑)、5年半の成果として、自分一人の生活費にはギリギリ、アシスタントを雇うのは厳しい、と言ったところ。なので、海外戦略やその他の収益方法を模索している、というわけです。

その他の電子書籍とフランスの成果

1,大洋図書経由の多ストア展開

現在は撤退してkindle専売に戻しているのですが、2019年~2020年にかけて、大洋図書様の電子取次代行を通じて電子書籍の多ストア展開を試みておりました。この成果の数字は部数としては正確なものがないのですが、売上のデータと断片の情報から算出して、全部で、少なく見積もって1万5000部相当、多く見積もると3万部相当と推測できます。ここは厳しめに、2万部として計算しました。

2,フランス

以前以下の記事でご報告した通り、KUROKAWA様から出たフランス版の2022年に発売した8巻分の成果として、実売で約10万部の数字を出しております。(実売なので、日本の発行部数基準にするともっと行っております…が、ここはひとまず確かな数字で)
ちなみに、フランスでは電子書籍はあまり普及しておらず、この数字はすべて紙のみとなります。

また上記の記事中にもある通り、フランスでヒーローズ様を通じて2015年から出た全5巻の旧装丁版がありまして、こちらも少なく見積もって3万部、多く見積もると5万部以上の成果が出ていると推測されます。このバージョンは弊社とヒーローズ様との契約解除に伴って絶版になりましたが、このヒットによってKUROKAWA様は弊社との再契約を望んでくださり今回の全10巻の新装版に繋がったので、今回と比べてもそれなりの数字を誇ったと見て良さそうです。(こちらまだ正確な数字はKUROKAWA様社内の調査待ちw)というわけで、この旧版も合わせると、フランス版は少なく見積もっても累計13万部(2022年現在)という事になります。

日本での紙の部数

2016年までの講談社版(全5冊)ヒーローズ版(全7冊)の総発行部数は、約16万部です。これに直近の『813』上巻(株式会社ぴあさん発行)を合わせると、紙の合計は約17万部となります。

合計(2023年8月現在の総部数)

以上から、【kindle10万部+電子多ストア配信2万部+フランス13万部+日本の紙17万部】で、合計42万部と計算できます。もっともこれは上記の通りかなり厳しく少なめに見積もった数字なので、確かな事がわかったら、ひょっとしたらもっと上の数字(45万部とか?)が出るかもしれません。(単話版も計算に入れていないですし…)逆にもっと少ない可能性も。

なんにせよ、40万部を超えていることは確実です。
ここに来てようやく胸を張れる数字になってきたと言えそう。

今後の展望

1,引き続き2023年のフランスに期待

フランスの上記の数字は2022年中に発売した8巻までのものなので、これに加えてまだ9巻・10巻の成果が期待されます。また、10巻完結に合わせてフランスから権威あるミステリイベント『QUAIS DU POLAR』にゲストとして招待され、15以上の様々なメディア(雑誌・テレビ・ネット媒体など)の取材も受けてきたので、2023年の売上にはその露出の成果も期待できると思っています。

『QUAIS DU POLAR』での登壇(リヨン)
『QUAIS DU POLAR』のテレビ取材(リヨン)
アルセーヌ・ルパンの聖地エトルタでのテレビ取材
リールの書店

それに加えて、オマール・シーのNetflixドラマ『LUPIN』のシーズン3も今年やるはずですから、それとのコラボ効果も期待していいと思っております。(そもそも現在のフランスでのアルセーヌ・ルパン再ブームはこのドラマの大ヒットからであり、KUROKAWA様がフランスでのアバンチュリエの再出版に情熱的だったのも実際にヒットしたのも、この流れがあったからなので。)

オマール・シー主演 Netflix『LUPIN』

また、少し間を開けてになると思いますが、フランスでも『813』編は発売するでしょう。そうすると、累計50万部も視野に入ってくるのではないかと思います。

2,その他

これはまださすがに何とも言えないのですが、以前の記事にも書いた通り、フランスの他にも様々な他国での発売を狙って動いています。これが実現すれば、全世界での総発行部数はまた大きく伸びると思います。

またkindleでも、超合本版POD(Print on demand)など、まだ試していない、今までにないところへお届けするアプローチの手も残しております。これらは現在毎月15日に更新している単話新装版が完成したら着手しようと思っております。

POD(Print on demand)は現行最新バージョンのアバンチュリエを紙で復活させる起死回生の策です。当然これらも実現すれば、総累計部数として積みあがるでしょう。

さらには、書店での新装版発売もまだ諦めておりません。が、ぴあ様はコロナ禍による会社の事情によりプロジェクト継続が難しくなっております。「アバンチュリエの紙での出版」にご興味がある出版社様がおりましたら、ぜひご連絡くださいませ。

まとめ

通常の出版社が手を引いてから7年(再誕計画のkindle販売始めてから5年半)かけての成果なわけで、やっぱりロングテールで結果が出る作品ですね。初動の爆発力はない代わりに、多分流行りの影響薄く安定して売れる。もっとも、フランスでは初動の爆発力あったんで、海外ではサクッと成果出るかも。海外にパイプのある方も、ご連絡をお待ちしております。

業界の友人の方に「こうなると隠れたヒット作ですな…」と言って頂いて、嬉しく思っております(笑)。それにしても……

「ロングテールで結果が出る作品」
「電子だとまとめ読みのロングテール勝負がしやすい」
「海外が勝負」

出版社が手を引いて再誕計画立ち上げた時の僕の主張と勝算、完全に当たってたやんか! 各社、乗っかるなら今やで~(笑)。

メディアの方も、ネット記事とかにして頂いてもいいんですぜ!(笑)

以上で今回のご報告を終わります。

おっと。この記事で初めて興味を持ってくださった方。
『怪盗ルパン伝アバンチュリエ』はアルセーヌ・ルパン原典にできるだけ忠実に漫画化した作品で、上記の通りフランス本国でも大きく評価されております。よろしければ、この機会に是非是非。

アルセーヌ・ルパン及び『怪盗ルパン伝アバンチュリエ』概要

【単行本】

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