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フランス/リヨンで行われたミステリ・ノワール作品の伝統的文学イベント『QUAIS DU POLAR』に森田崇がゲストとして参加
【2023年3月31日~4月2日】フランスのリヨンで行われたミステリ・ノワール作品の伝統的文学イベント『QUAIS DU POLAR(ケ・デュ・ポーラー)』に、『ARSÈNE LUPIN(邦題:怪盗ルパン伝アバンチュリエ)』の漫画家・森田崇がゲストとして招待され、『森田崇と1時間』と題するステージをはじめとする4本のイベント登壇、サイン会などを行ってきました。大変遅くなりましたが、記録としてまとめておきます!
『QUAIS DU POLAR』
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大会場
メイン会場です。登壇したイベントとイベントの合間の時間はここでずっとサイン会をしてました。何度も並んでくれた方や他の会場まできてくれた追っかけの方もいましたけど、そういう方以外は、全部が僕のファン……というよりもきっと日本の漫画家が珍しかったんでしょう(笑)。列が途切れず大忙しでした。
あ、でも『ARSÈNE LUPIN』ファンのご年配の方、大人の方がかなりいましたね!「アルセーヌ・ルパンはフランスの魂だ」「子供に買う」「孫に買う」と嬉しそうに言ってくれたのが僕も感激でした。今大きく評価されている日本漫画でアルセーヌ・ルパンを、というのはフランスの方に喜んで頂けてるんだなあと実感です。
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後ろの列を待たせてる
【怪盗紳士、森田崇と1時間】
『QUAIS DU POLAR』初日、1本目の登壇イベント。凄いタイトルですが、本当にこういう単独インタビューイベントを興してくれました。司会者は雑誌『Le Point』の『QUAIS DU POLAR』の特集号にアバンチュリエの記事を書いて下さったMALAURE Julie (マロール・ジュリー)氏。こちらも凄い会場で、しかも満員でした。ありがたい。
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Quais du whodunnit は今年、アルセーヌ・ルパンの冒険を忠実かつ非常に正確に漫画化することを選択した特異な日本の漫画家、森田崇の存在で始まります。モーリス・ルブランの作品、彼の翻案作品、日本とフランスの交流と文化的影響についてのミーティング。
(画像をクリックすると公式サイトへ)
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権威ある雑誌『Le Point』の『QUAIS DU POLAR』の特集号に
アバンチュリエの記事を書いて下さった方。
遠いフランスから、移籍や個人出版の事まで調べて質問してくれて感動!
アバンチュリエの内容についても深いところまで読み込んで突っ込んでくれて、それがもちろん
ルブランの『アルセーヌ・ルパン』をよく理解した上での質問で、舌を巻きました。
さすがルパンの母国!
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今回僕が参加した全イベントのMVPは、僕よりこの方(笑)。
アルセーヌ・ルパンにも詳しく、アバンチュリエの翻訳もしてくださっているので、
絶大な信頼感があります。
以下のリンクから、イベントの模様が全部聞けます。
このイベントは僕メインなので僕は当然日本語ですし、通訳の方の日本語もけっこう聞こえるように入っているので、日本の方も割と聞きやすいかと思います。「フランスの方たちがこんなに興味持ってくれたんだ!」とちょっと感動しますので、お時間ある方は是非聞いてみてください!
以下のリンクは、MALAURE Julie (マロール・ジュリー)氏が書いて下さった、『Le Point(ル・ポワン)』での『ARSÈNE LUPIN(怪盗ルパン伝アバンチュリエ)』の記事。フランスで大人気の『ゴルドラック(グレンダイザー)』を描かれた永井豪先生が昔アルセーヌ・ルパンを描かれた事にも触れ、さらには一峰大二先生のルパン、春野まこと先生のルパン、また『ルパン三世』はもちろん近年の『ルパン三世 vs キャッツ・アイ』にも触れている、レベルの高い記事。僕(森田崇)の事についても、初連載の『Clock Clock』ですでにルパンを出していることまで触れられている。遠いフランスからそこまで調べられるのかと、クオリティの高い取材とインタビューにビックリ。是非リンク先を読んでみてください。
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【漫画とバンデシネ、 小説から絵へ】
2日目のステージ1本目は小説『shibumi』をバンデシネにしたJean-Baptiste Hostache 氏 & Pat Perna 氏との対談。「小説をいかに漫画(画像化)にするか」というテーマでした。司会者 : LINDECKER Jacques (リンデカー・ジャーク)氏。下の画像からリンク先へ。
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フランスのバンデシネ作家と日本の漫画家が対談。
(画像クリックで公式サイトへ)
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日本の「渋み」の概念をタイトルに持つダークヒーローの作品。
渋みの日本での本当の意味を聞かれたのだが、別の言葉で説明をするのが難しかった…。
「つまり…渋い良さって事です」って言っても説明にならないし(笑)。
千利休とか茶道とか詫び寂びとか出したんですが、難しかったです。
こちらもイベントの模様が聞けます。
【映画紹介:「カリオストロの城」】
2日目のステージ2本目はなんと映画発祥の地にして聖地でもある「リュミエール美術館」で、『カリオストロの城』の前説(映画紹介のプレゼンテイター)として登壇。特別な人しか座れない椅子に座ってリュミエール美術館に保管する写真まで撮られ、今回の遠征で一番恐れ多い、一番分不相応で罰当たりな事になってしまいました。でもいい思い出になりました(笑)。
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ここでの登壇と写真撮影は、ほんと今回一番恐れ多いと思いましたね。でも緊張はしなかった。
ここまで行くとちょっと現実感が無くてこの状況に笑って逆にリラックスしてしまったのと、
あと通訳をしてくれたFabienに絶大な信頼感があったので、
僕がとちっても良いように訳してくれるだろう、という……(笑)。
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タイトルに『ルパン三世』とついてないことに注目
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プロのカメラマンに写真に撮ってもらいました。
向こうで何かに載ってるはず……(笑)。
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写真に撮られて歴代のそういう方たちと一緒にリュミエール美術館に飾られるそう。これは冒涜w
あまりの状況にちょっと笑いそうになってるw
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リュミエール兄弟は「映画の父」で、ここで世界初めての「映画」が撮影されました。
リュミエール兄弟の撮った映像は時代的にもアルセーヌ・ルパンの時代ドンピシャなので、
僕もよく時代の参考資料に使ってます。
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当時の建物を保護するために、外側を近代的な建物で覆って保護してますね。
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ちなみに『カリオストロの城』がフランスで公開されたのはつい最近の2019年。もちろん宮崎駿監督は巨匠として現地でも知られておりますが、『カリオストロの城』は一般にはほとんど知られていないそうです。また、『ルパン三世』はフランスでは長らく『泥棒探偵エドガー(Edgar le détective cambrioleur)』というタイトルで紹介されていたこともあり、上の画像でも書いた通りフランスでのタイトルには『ルパン三世』とはついていません。
【ポップカルチャーの子供】
「現在のコミックシーンを代表するイラストレーターの一人 Jacob Philips、アルセーヌ・ルパンの冒険を漫画化した森田崇、ビデオゲームライターのJakub Szamałek、そしてスリラーを書く前は、ロックバンドのリードボーカルだった Peter Farris。
それぞれの分野は、ポップカルチャーと呼ばれるこの惑星の一面である。
この4人は同じ世界の人々...」(公式ページより)
国も生い立ちも違う4人のクリエイターのパネルディスカッションです。国情や厳しい政治状況などでそれぞれの創作姿勢や受けた影響が違って興味深かったです。僕が一番のほほんとしてた(笑)。特等席でほとんど観客として聞いてて、とても楽しかったです。有意義なこと言えたかな(笑)。会場もご覧の通りの美しく荘厳な大聖堂で、こんな所で漫画やゲームを含めたポップカルチャートークができるなんて凄いなあと。
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こちらもイベントの模様が聞けます。
この大聖堂のパネルディスカッションを記事化してるページがありました。
インタビュー
この『QUAIS DU POLAR』の会期中に、会場でのテレビのインタビュー1本(写真は上)、『ARSÈNE LUPIN(怪盗ルパン伝アバンチュリエ)』を出してくれているKUROKAWAの出版社Editisのインタビュー1本、ホテルでの雑誌のインタビュー1本、Netflixの動画の取材1本、そしてそれに伴う撮影がありました。
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この写真の時のインタビューを見つけました(笑)。
読めるのは冒頭のみで、その先を読むにはお金がかかります。
というわけで、3日間大忙しのリヨンでした。
メインの目的は終わったものの、これでまだエトルタ、パリ、リールを残しているから1/3ってところ。振り返っても大遠征でしたね!
おまけ:レストラン
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いきなり豪華すぎてたまげたけど、今落ち着いて見たら皆さん普通の私服ですね…(笑)。
凄くおいしかった。
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カマス(魚)をムースにしてる? そしてソースが美味しい!
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リヨンの料理はどれも超美味しかった!
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フランスで高評価のManga『ARSÈNE LUPIN』。
日本版の単行本はこちらから!
『怪盗ルパン伝アバンチュリエ【再誕計画版】』
フランス版はこちらから!
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